3月末に鹿児島で開かれた第62回日本応用動物昆虫学会大会でポスター賞を受賞した石倉さんの記事が、北海道新聞と十勝毎日新聞に掲載していただきました。昆虫寄生菌のLecanicillium spp.(レカニシリウム属菌)は、これまでコナジラミ類の幼虫・蛹・成虫に寄生することは知られていましたが、卵に対する寄生性は明らかになっていませんでした。今回の研究で昆虫寄生菌がコナジラミ卵の中に侵入しており、その影響でランの孵化率が低下することと、たとえ幼虫が孵化しても即時に昆虫寄生菌の作用で殺虫可能であることを報告しました。これは、コナジラミ発生のかなり早い段階から防除が可能であることを示しており、葉の上での生存が可能であるというLecanicillium spp.の特性を生かした予防的な防除法などにつながることが期待されます。また、昆虫寄生菌と卵のディフェンスのせめぎ合いという部分でも面白苦なりそうなテーマです。